どこかのひとり

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理想の形に擦り切れて無くなってしまえと願う

私よ、誰かの為の、私の望む形であれと願う。

誰かの為になれる自分を理想として、その形からはみ出す部分を切り取り、削っていく。この作業は楽だ。

だが足りない部分を盛っていくのは労力が要る。それが頭脳を使うものとなると、さらに大変だ。

ただ体を動かすだけで良いならば、切って削った精神の神経は麻痺させたままで、体さえ動かしていれば良い。だが、頭を使うとなると、精神の麻痺を解かなければ、頭はなかなか稼働しない。

麻痺を解いた心の痛みに耐えながら、頭に入っているのかいないのかわからない文字の羅列を目で追いながら、知識を頭に叩き込まなければならない。出来ればそういうことはしたくない。

 

だからあまり、盛っていく作業はしたくない。理想に自分を合わせるなら、切って削ることだけをしていきたい。

そうやって誰かの為に、自分を切って削って、だんだんと精神の麻痺がひどくなって、欲望がすり減って、消えてなくなってしまえるならば、それが私の理想なのかもしれない。